【管理職必見!】職場のパワハラ防止七箇条

人気アイドルグループTOKIOの山口達也メンバー(当時)が強制わいせつで書類送検されました。アルコールによる体調不良のため入院治療し、その退院当日に自宅で飲酒のうえ酩酊状態で共演した女子高生を呼び出して、無理やりキスしようとしたと言うことです。

僕が知っている情報は、テレビやネット上からのものなので事実の一端でしかない思いますが、その印象からは強制わいせつだけではなく、パワハラやセクハラの要素も含まれているように感じます。飲酒の影響があったとはいえ、どれも許されるものではありません。

そこで今回はこの事件に含まれる要素の内、ハラスメント特に「パワハラ」について考えてみようと思います。

強制わいせつとは

まず、今回の事件の発端になった強制わいせつは、刑法で次のように定義されています。

刑法第176条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

WIKIBOOKSより

僕は今回調べるまで、13歳を境に強制わいせつが成立する条件が違うことを知りませんでした。13歳未満は暴行や脅迫が伴わななくても犯罪として成立するとは思いませんでした。「強制」と言う言葉の印象から、何かしらの暴力や圧力が必ずあるものと思い込んでいただけでした。

ハラスメントとは

ハラスメントとは、簡単に言うと「嫌がらせ」になります。よく耳にする言葉として「セクシャルハラスメント(セクハラ)」、「パワーハラスメント(パワハラ)」、「マタニティハラスメント(マタハラ)」などがあります。

これらは加害者側が意図しているかどうかは関係なく、被害者側がどう受け取ったかが非常に重要です。

相手の意に反して不快な思いをさせる行為がハラスメントになります。

今回の事件にあるパワハラ的要素

今回の事件報道で僕が感じたのは、「セクハラ+パワハラ→強制わいせつ」と言うものです。

テレビ番組を作る時の体制は詳しく分かりませんが、製作者と出演者とスポンサーがいるのは分かります。その中での力関係は、お金を出すスポンサーの影響力は大きいはずです(今回はNHKの番組と言うことで、スポンサー=NHKまたは契約者)。次に番組を作る製作者の指示に従って出演者が演技なり話なりをするので、スポンサー>製作者>出演者という力関係が成り立つと思います。

ただ、芸能界では出演者の影響力のほうが製作者より大きい場合があるようで、知名度や実績によって特定の出演者の影響力が他より大きいこともあるようです。また、同じ共演者同士であっても一般のサラリーマン同様に役職が無くても序列はあるでしょう。そこにサラリーマンも芸能界もパワハラになる危険性が隠れていると思います。

どんな時に「パワハラ」が起きやすいのか?

それでは、どんな時に職場でパワハラが起きやすいのでしょうか?僕と一緒に考えてみてください。

部下に仕事を与えるとき

部下に仕事を与えるときに、あなたはどんなことを考えていますか?誰の手が空いているか、任せても大丈夫か、経験を積ませたいなど、いろんなことを考えていると思います。ただ、これらのことと部下の能力を比較して、適正な割り当てをしなければなりません。

意図していなかったとしても、任せた部下の能力を大幅に上回る仕事を任せては、パワハラと言われても止むを得ません。ましてや「懲らしめてやろう」などと考えて過剰な仕事をさせるなどは論外です。

部下を叱るとき

部下が間違いや失敗した時には、立場上叱らなければなりません。ただ、叱るときに感情任せではパワハラになる可能性が大きくなります。

感情に任せると「叱る」ではなく「怒る」になってしまいます。そうすると自分が意図していない方向に話が進んだり、不用意な言葉が飛び出てきてしまいます。その言葉の中には、部下の人格や尊厳を傷つけたり否定したりする言葉があるかもしれません。

職場の飲み会など

職場で歓送迎会や忘新年会など、飲酒を伴った会合があると思います。そんな飲酒を伴う場合も要注意です。普段は出てこない言葉も、アルコールの影響で歯止めが利かなくなって飛び出すかもしれません。今回の事件も飲酒が絡んでいます。アルコールが絡む抑制がきかなくなることがあるので要注意です。

ハラスメントを防止するには

ここまでパワハラが起きやすい場面をピックアップしてみました。そんな危ない場面でハラスメントを防止するにはどうしたら良いか考えてみます。

「ハラスメントとは何か」をよく理解する

職場の中でハラスメントを無くしていくには、まず「ハラスメントは何か」を職場全体で理解しなければなりません。冒頭でも書きましたが、「相手の意に反して不快な思いをさせる行為」がハラスメントになります。社会的地位や職場のポジション、性別や趣味嗜好など、普段意識していなくても相手を不快にさせる言動をとる可能性はあります。

特に中間管理職である僕やあなたは、部下に指示を出したり時には叱ったりしなければなりません。そんな時には、部下の人格や尊厳を否定するような言葉を使わないよう、細心の注意が必要です。

部下に仕事を与えるときは、能力に見合った仕事を与える

部下に仕事を与えるときは、部下の能力に合わせて与えなければなりません。いくつかの仕事を同時進行させる場合は特に注意が必要です。仕事が山積みで終わる見込みもつかないような状況にしては、パワハラと言われても仕方ありません。反対に能力より極端に低い仕事をさせるのもよくありません。

部下の能力と教育効果のバランスをよく考えることが必要です。そして部下にもその仕事を与える意図を説明しておけば、信頼関係も築けます。

部下を叱るときは、感情を前面に出さない

部下を叱るときは細心の注意が必要です。それでは具体的にどうしたら良いのでしょうか?

第一に「感情を前面に出さない」と言うことです。叱るときに感情を前面に出すと「怒る」になります。怒ると言うことは、自分のいら立ちなど負の感情を爆発させることになります。感情を爆発させると、普段口にしないような言葉が飛び出てくることもあります。一度出た言葉は、元に戻すことはできません。部下を叱っている最中に人格や尊厳を否定する言葉が出てしまえば、それは立派なハラスメントになります。

部下の間違いを正そうとして自分が間違いを犯さないよう、部下を叱るときは冷静になって不用意な言葉が飛び出さないように注意しましょう。

部下を叱るときには、事実に対して

叱るときには、叱る原因になった事実に対して、なぜダメなのか、どうすべきか、どうしてほしいかに焦点を当ててを伝えましょう。そうすることで、一時の感情によるハラスメントの多くは防げると思います。

また、どうすべきかの部分は部下に考えさせると話が一方的にならず、部下の考える力を育成するという教育効果も期待できます。

部下のことをよく知る

ハラスメントとは、「相手の意に反して不快な思いをさせる行為」です。つまり、不快に思うかどうかは相手次第です。同じことを同じように言っても、こっちの人は何とも思わず、こっちの人は「ハラスメント」と感じる可能性があります。

そんなことが起きないように普段の部下の言動から、何に対して不快に思うのか、どんなことを気にしているのかなど、多くの情報を集めましょう。そうすることで、不用意に部下を傷つけることを防げるでしょう。

自分のことを知ってもらう

普段から部下とのコミュニケーションを取りましょう。自分のことを知ってもらえれば、どんなことに怒るのか、どんなこだわりがあるのかが伝わっていきます。そうすることで、部下も上司である僕やあなたに対して「こうしてはまずい」とか「これはダメ」な行為が分かるようになります。この線引きが分かれば、部下も不用意にこちらの感情の爆発をさせずにすむでしょう。

アルコールはほどほどに

アルコールが絡むと、話がややこしくなります。言った言わない、やったやらないと言うことに必ずなります。お酒の席の出来事だからというのは言い訳で、ハラスメントを受けた方はお酒など関係ありません。

お互いに嫌な思いをしないように、アルコールはほどほどにしましょう。特に一気飲みの強要は命にも関わってくるので、絶対やめましょう。

まとめ

今回はTOKIO山口達也メンバー(当時)の事件をきっかけとして、職場のパワハラについて考えてみました。ハラスメントは単なる嫌がらせではなく、相手の尊厳を傷つけるものです。けれど一方で、僕やあなたの職場でも起こりうることでもあります。そんなことが起こらないように日頃から

  • 「ハラスメントとは何か」をよく理解する
  • 部下に仕事を与えるときは、能力に見合った仕事を与える
  • 部下を叱るときは、感情を前面に出さない
  • 部下を叱るときには、事実に対して
  • 部下のことをよく知る
  • アルコールはほどほどに

この七つを意識して、仕事のしやすい環境を作っていきましょう。

それでは、この辺で。

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