今も毎日、会社で万年筆を使っている中間管理職あき庵です。
以前、こんな記事を書きました。
嬉しいことにこちらは好評で、毎日少しずつですがコンスタントにアクセスがあります。(本当にありがとうございます!!)
そこで気付いたのですが、僕が思っている以上に「仕事で万年筆を使いたいけど、実際に使えるの?」と思っている人が、たくさんいるようです。
そんな訳で今回は、仕事で万年筆を使い始めようとするときのステップを、僕の経験と使い方を例にしてお教えします。
とりあえずインクは「カートリッジ」
いきなり吸引式(本体に直接インクを溜めるもの)の万年筆を買ったなら別ですが、始めて万年筆を使うなら「カートリッジ式」が楽でしょう。インクがなくなれば空のカートリッジを取り外して、新しいカートリッジを差し込むだけで手軽に使えます。そして何より、吸引式の万年筆は、たいがいカートリッジ式よりもお高いお値段になっています。
そしてカートリッジ式には、こんなお手頃価格のものがあるのも嬉しいところです。
使い続けることができるようになってから、吸引式の万年筆を買ったりコンバータ(カートリッジ式の万年筆を吸引式と同じようにするための道具)に変えたりしてみましょう。
インクは「黒」or「ブルーブラック」から始める
仕事で万年筆を使おうと思ったとき、まず最初に思うことが「毎日使い続けられるか?」です。
万年筆はその特性上、長期間使わないとペン先や内部でインクが乾燥して固まり、書けなくなってしまいます!それを防ぐのに一番効果があるのは、「毎日使うこと!!」
そのためには、毎日使えるインクの色を選ばなければなりません。
普通のサラリーマンであれば、「黒」か「ブルーブラック」を使うのがおススメです。これならば、自分のメモ用でもちょっとしたサインでも使えます。
インクの色はたくさんあって、きれいな色を使いたくなりますが、仕事で使うことが前提ならば、毎日使える「黒」か「ブルーブラック」から使い始めてみましょう。
必ず手の届くところに置いておく
せっかくの万年筆、大事だからといつも机の引き出しにしまっていてはダメです!仕事で使うようになるため一番重要なのは、「すぐ使える状態にしておく」ことです!!
ペン先が乾燥しないよう万年筆には必ずキャップがついています。その分ボールペンやシャーペンよりも使いづらいものです。その「使いづらさ」を少しでもカバーするには、いつも「手の届くところ、目に付くところ」に置いておくのがベストです!
僕はPC右横を定位置にして、自作のヌメ側ペントレーに載せています。右利きの僕には、そこが自然に手を伸ばせる一番いい位置なのです。
いくら慣れても会社用は3本3色以内
あなたは今現在、何本の筆記用具を使ってますか?あるいは常時何色の色を使い分けてますか?
蛍光ペンを除けば僕の経験上、いわゆる「3色ボールペン」か「4色ボールペン」より多くの色を使うことは、ほとんどありません。と言うことは、3色または4色以上の万年筆を会社用にしても、使われずにペン先が乾燥して書けなくなる万年筆が増える可能性が大です!
僕の経験上、土日程度ならば使わなくても大丈夫ですが、1週間出張や休暇で使わなければペン先詰まりを起こしてしまいました。
1本の万年筆に慣れて本数を増やす時は、毎日か1日おきに使う色だけを増やして、ペン先の乾燥には十分気をつけましょう。
本数が増えたら、ローテーションしてみる
万年筆に慣れて楽しくなると、今持っているものと違う色のインクや、別の万年筆を試したくなるのが人情です。いわゆる「沼」に、はまり込んでしまいます。
僕は経済的な理由から、割りと浅い「沼」で済んでいますが、それでも万年筆8本(数千円のものがほとんど)、インクはビン3色とカートリッジ1色の計4色を使っています。
ただ、インクはいいとして万年筆7本は常時使い切れません!全てにインクを補充していると必ず使わずに乾燥するものが現れます。なので、仕事用の万年筆本体は前項でお伝えした3色用に3本を選び、気分によってローテーションします。
ローテーションする時、使わなくなる万年筆は洗浄しておくので、ちょうどいいメンテナンスにもなります。
あき庵流会社用万年筆の使い方
それでは僕が会社で、どんな風に万年筆を使っているかお教えします。
レギュラー
まず、会社用のレギュラーは3本で、それぞれ3色のインクを入れています。
セーラー万年筆の「クリアキャンディ」(ペン先F)にはセーラーの「極黒」カートリッジを入れて、主に書類のサインに使っています。このセーラーの「極黒」は顔料インクなので耐水性が高く、複写以外の書類はほとんどこれを使っています。
ただし、顔料インクは染料インク(通常の万年筆用インクは染料)に比べるとペン先が詰まりやすいと言われているので、僕はお手ごろ価格の「クリアキャンディ」に入れています。「極黒」を使い始めてから2年近くなりますが、今のところペン先の詰まりは皆無なので、手持ちの予備カートリッジがなくなれば、瓶とコンバータに移行しようと考えています。
パイロットの「プレラ色彩逢い」透明オレンジにはペリカンの「ブリリアントレッド」を入れて、報告書などの添削や重要事項のメモに使っています。この「プレラ色彩逢い」は、コンバータ付属なのが嬉しいところです。透明軸と赤インクの相性が良くて、机に置いておくだけで目を楽しませてくれます。ちなみにペン先は「カリグラフィ」を選びました。
レイメイ藤井の「A.G.SPALDING&BROS.」(ペン先M)はセーラーのジェントルインク「常盤松」と言う緑系の色を入れています。この万年筆、以前蔦屋書店函館店のセール品から見つけたもので、カートリッジ式だったものにペリカンのコンバータを取り付けてインク瓶から吸入できるようにしました。
会社用スケジュール帳への記入はこのペンをメインに使っています。
仕事中はこれらを蛍光ペンと一緒に、自作のヌメ革ペントレーに載せてパソコン右横に置いています。
控選手とプライベート用
今現在の控選手はラミーサファリのペトロール(2017年限定色、ペン先M)、セーラーのプロフィットJr.透明感(ペン先MF)、書店で見つけた万年筆ブックの赤軸(ペン先M)になっています。気が向いたときに、会社用の3本のどれかと入れ替わります。近々プレラ色彩逢いと赤軸万年筆を交替させようと思っています。
その他、携帯手帳のトラベラーズノートパスポートサイズにはセーラー万年筆の「プロカラー500透明感」(ペン先MF)&「常盤松」、プライベート用に同じくセーラー万年筆の「プロフェッショナルギアΣ銀」(ペン先M)&ウォータマン「ミステリアスブルー」の組み合わせで使っています。
特に「プロフェッショナルギアΣ銀」は他の万年筆のペン先がステンレスなのと違って21金なので、とてもやわらかい書き味が楽しめます。
まとめ
どうでした?あなたも会社で万年筆を使えそうな気がしてきましたか?
最初の一歩がなかなか踏み出ませんが、一度会社で使ってみると案外いいものです。
とりあえず1本、お手ごろ価格のものにカートリッジで黒かブルーブラックのインクをつけて手元に置いてみてください。使い続けられそうなら、インクの色や本数を用途に合わせて増やしてみるといいでしょう。ただし、くれぐれもインクを入れっぱなしで放置しないようにして下さい。
せっかく1日の3分の1から半分くらいは会社で仕事をするのですから、自分の気に入ったものを使って仕事をしませんか?それだけで仕事へのモチベーションが上がったり、楽しく作業を進めることができるようになりますよ!
それでは、この辺で。
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