「僕たちはもう働かなくていい」は、生き方を考え直すきっかけになる

今回ご紹介するのは、堀江貴文氏(@takapon_jp)の「僕たちはもう働かなくていい」です。

AI・ロボット研究の現状と、これから訪れる未来の可能性が書かれています。専門用語が非常に少ないので、ロボット工学やAIの専門知識がなくても理解できる内容です。AIやロボットが発達した先にどんな生き方をするのか、考えるきっかけになる一冊です。

著者紹介

著者の堀江貴文氏は1972年福岡県生まれ。

ライブドアの元代表取締役CEO。東京大学在学中の96年に起業し、現在は北海道でのロケットエンジン開発をはじめ、さまざまな事業のプロデュースなど多岐にわたって活動をしています。

なぜこの本を選んだのか

本の帯には“「AI×ロボット」に稼がせよ!テクノロジーは社会を激変させ、人間の能力も〝拡張〟し続ける。「AI格差の時代をどう生きるか。”とありました。

AIやロボットが今どれだけ進歩しているのかにも興味がありましたし、何よりも僕の地元北海道でロケットエンジン開発事業に携わっていることから、堀江氏への興味と親近感が大きくなってきたからです。

また、AIやロボットの進歩で自分の仕事がどんな風に変わるのかも気になっていました。

気になったポイント、その1 「脳に電極を刺しますか?」

読み始めて最初に気になったのは、第1章の冒頭

「あなたは将来、脳に電極を刺しますか?」こう問われたレイ・カーツワイルは、「もちろん」と答えた。

(堀江貴文著「僕たちはもう働かなくていい」より)

この一文です。

この一文を読んで連想されたのは、士郎正宗氏原作のSF漫画「攻殻機動隊」でした。押井守監督がアニメ映画化して国際的に評価された作品なので、ご存じのかたも多いと思います。その中で首筋のプラグにケーブルを刺してネットや外部記憶装置につながるシーンがあります。

少し極端でまだ先のことだと思いますが、AI研究の世界的権威をはじめ複数の科学者がその可能性を指摘しているということは、方法はどうであれ人間の頭脳がAIとつながる日が近いのかなと思えます。

その頃には、今以上にAIが進化しているはずですが、そのために重要な役割を果たすと思われるのが「手」であるとの指摘は、非常に興味深いものでした。

気になったポイント、その2 「勘とか経験」

第4章の“AI&ロボットビジネス「 成功の秘訣」”の中に、こんな一節があります。

「勘」とか「 経験」とか、適当な基準で指導してくるような人間は、全体の士気や生産性を落とすだけの存在だ。

(堀江貴文「僕たちはもう働かなくていい」より)

たしかに現在の社会では「勘」や「経験」がものを言う職種も存在しています。でもそれは、個人レベルで集めたデータを数値化・一般化できていないからこそ。そこをAIに置き換えることができれば、データは個人レベルではなく世界レベルで集められるうえ、数値化・一般化することか可能となるでしょう。

AIが発達した社会では「勘」や「経験」という言葉は、ごく一部でしか使われない専門用語になると感じました。

あとはAIから教わる人間、特にスポーツなどの分野では、AIに教わったことを正確に再現できるかどうかが、一流になれるかどうかのカギになるのでしょう。

気になったポイント、その3 「愛着」

同じく第4章の“AI&ロボットビジネス「 成功の秘訣」”の中に、こんな一節があります。

愛着がない限り、人のパートナーとしての役目を引き受けるのは難しい。しかし、愛着はどうすればできるのだろうか?一緒に過ごした時間の長さなのか、可愛らしいデザインなのか……おそらくそれだけではない。もっと複合的な、人と親和する、本質的な何かだ。

(堀江貴文「 僕たちはもう働かなくていい」より)

確かにこれは、その通りだと思います。

本文中では子供のころから持っている人形や腕時計などが例として挙げられていますが、何かしら愛着のあるものは人それぞれ持っているものです。

ただ、その「愛着」がどこからきているのか明確に説明できる人は少ないでしょう。僕にも愛着がどこからきているのか説明できません。

本書にある通り、そこを一般化できればロボットやアンドロイドが、爆発的に普及できるのではないかと感じました。

「AIの進化は、仕事だけじゃなく生き方を考え直すきっかけになる」

この本を手に取った理由のひとつに「AIやロボットの進歩で自分の仕事がどんな風になるのか」と言うのがありました。

僕の仕事は機械のオペレータですが、本を読み進めていくうちに仕事が楽になるだけではなく、僕の代わりに仕事をしてくれる、それも僕以上に正確にしてくれる可能性が大きいと思うようになりました。

技術的な問題や開発コストなど、クリアしなければならない課題がまだまだ多いとは思いますが、人の代わりに仕事をしてくれるAI・ロボット・アンドロイドが普及してくる日も遠くないのかも知れません。

そして、その先には「機械に仕事を奪われる」と考えるか「機械に仕事をやらせて、自分は自分のやりたいことをやる」と考えるか、選択しなければならない日が来ると実感できました。

その日がきた時「仕事を奪われる」とならないよう、仕事以外のやりたいこと・やってみたいことを増やしていこうと思える一冊でした。

それでは、この辺で。

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