若手の教育に効果あり!マニュアル作り4つのポイントと3つの注意点

毎日部下がマニュアル通りに仕事しているか、チェックするのが仕事の大多数を占めている中間管理職あき庵です。

あなたの会社には、仕事に関するマニュアルはありますか?僕の会社には紙・電子ファイルを問わず、覚えきれないくらい膨大なマニュアル類が存在しています。

このマニュアル類、会社で仕事をするのに必要なものだとは思いますが、人材育成という面では役に立っているのでしょうか?

今回は、仕事をマニュアル化することが、本当に人材育成に繋がるのか考えてみます。

仕事をマニュアル化する理由

僕は技術系の仕事をしていて、入社5年目で初めて転勤しました。その時、数年に一度の珍しい操作がありました。その操作、マニュアルがあったけれど、古いうえに大雑把で分かりづらいものでした。

そんな訳で、当時の上司が僕にマニュアルの作り直しを命じました。その時に出された条件はただ一つ、「誰がやっても同じ精度で操作できること!」でした。

マニュアル作り

当時の上司の意図は、転勤したばかりの僕にマニュアルを作らせることで、早く仕事を覚えさせることと、マニュアル見直しの一石二鳥を狙っていたのだと思います。

おかげで僕は転勤したてなのに、「その操作だけは誰よりもよく知っている!」と自信が持てました。

このように、仕事をマニュアル化する理由は、手順を標準化することで誰でも同じクオリティーで仕事ができるようにすることです。その一方、マニュアルを作る人にとっては手順を見直す過程で仕事の手順や内容を覚えることができます。

マニュアル作りの必須ポイント

マニュアルを作るには、必ず守るべきポイントがいくつかあります。それらをまとめてみました。

対象物を正確に表現する

操作するもの・参照するものは、正確に表現しなければダメです。

例えば「1」「I」などの間違えやすいもの、枝番のついているものなどは、しっかり明記しないと後から使う人が迷う原因となり、最後はトラブルや事故につながります。

判断基準を明確にする

操作や作業終了・異常の有無を判断する基準が曖昧では、いつまで・どこまで・どれだけやったらいいのか困ります。

必要以上の時間や労力を使うことなく、求める結果を得るには明確な判断基準が不可欠です。

操作量には「量」以外の情報も必要

僕のように技術系の職場では、どうしても「微量」など、数値として表現しきれないものがあります。

そんな時は温度や圧力など、操作の影響を受ける場所の状態がどう変化するかを記載することで、間接的に操作量の良否を判断できます。

操作量の表現が曖昧にならざるを得ないときは、より多くの情報を記載することで、操作量の良し悪しが分かるようにします。

可能であれば画像も載せる

文字以上に画像のほうが分かりやすい場合もあります。

そんな時は迷わず写真に収めてマニュアルに載せましょう。実物と見比べることで、間違うリスクが格段に減るはずです。

カメラウーマン

マニュアル化のメリット

マニュアル化することで得られるメリットをまとめてみました。

作業を標準化できる

マニュアルに沿って作業をすることで、誰でもある程度同じクオリティで結果を出すことができます。

もちろん、熟練すれば速さや正確さが向上しますが、基本的には新人とベテランの差はなく同じ結果になります。

人に教えやすい

なにも資料がない状態で新人や転入者に作業を教えるのは、非常に大変です。けれど、マニュアルを見ながら説明をすることで、教える側と教わる側双方の思い違いを減らすことができます。

マニュアル化のデメリット

何事も良い面があれば悪い面もあります。

手間がかかる

新しく作るときはもちろん、設備や手順の変更があった場合は速やかに修正しなければなりません。

修正するときには、全体の整合性が取れているか確認が必要です。

一部が古いままだと、次に同じ作業をする人が間違った手順で進めることになり、トラブルに発展します。

マニュアル頼りになる

マニュアルどおりに進めても、時にはトラブルに見舞われます。そんな時にマニュアルしか知らなければ、対応しきれないものです。

何でも基本や本質を理解していないと応用力がなくなり、大事な場面で思考停止してしまいます。

マニュアルを探せない

いろんな仕事のマニュアル化が進むと、マニュアルの数が膨大となり、必要なものを探すのも一苦労です。

時にはマニュアルの存在すら分からず、問題が起きてからマニュアルがあることに気付くことになります。

本棚

仕事のマニュアル化は、人材育成を補完できるのか?

仕事のマニュアル化には、前項までのようにメリットとデメリットがあります。それらを踏まえたうえで、僕は「人材育成につながる」と考えます。

ただし、それには次のような条件が必要です。

仕事の基本・本質を理解しておく

マニュアルの中で明記されていれば問題ありませんが、大前提として自分の仕事の基本や本質を理解しておく必要があります。

何も考えずマニュアル通りにするのは、ただ本を読んでいるのと同じです。それでは突発的なトラブルに見舞われても、パニクるだけです。

マニュアルを信用しすぎない

マニュアルは仕事を円滑に進めるためのツールですが、決して万能ではありません

書いてあることが間違っているかもしれないし、想定外のことが起きるときもあります。もしかすると他に効率的な方法があるのかもしれません。

そういう目でマニュアルを見ることで、仕事の本質が見えてきたり、知識の向上につながります。

マニュアル作り以上の勉強はない

新しいマニュアルを作るにしろ、既存のものを見直すにしろ、その作業をする本人が一番その仕事を理解することになります。

現状の手順を洗い出し、実際との相違点を確認して修正し、更に効率的な方法がないか検討し反映する。このような作業をすることで、本当の意味で仕事を理解することができます。

勉強中

まとめ

この記事を書くまで、僕は人材育成の面から考えると仕事のマニュアル化はメリットよりデメリットの方が大きいイメージがありました

けれど、デメリットがあることを分かったうえで、基本や本質を理解して過度にマニュアルに頼らなければ、人材育成の教材として十分機能すると感じました。

あなたの職場に新入社員が配属されたとき、マニュアルを使って教育する場面もあるでしょう。そのときに、この記事が参考になればと思います。

それでは、この辺で。

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