ここに辿り着いたということは、あなたはこの春就職した新入社員ではないでしょうか。4月になって会社に入り、あなたの環境はすっかり変わったことと思います。まだまだ会社のことも分からず戸惑う日々を送っているますよね。戸惑うことの中でも、1・2を争うのが提案書や報告書を始めとした「文書作り」ではないでしょうか。
今回は文書作りが苦手なあなたが早く上達できるよう、僕が実践していて効果があると感じているポイントを、文書を作る順に五つご紹介します。
書きたい内容を整理する
文書を通るときは、まず目的をはっきりさせなければなりません。何のために何を書くか、最初に整理しておきましょう。
整理するときには、大きめのノートに書くことをお勧めします。使用済みコピーの裏でも良いですが、作業中に他の資料と混ざったりすると探す手間が出てきます。後から別の文書を作るときの参考に見直すこともできるので、記録として残るノートがお勧めです。
内容を洗い出す
提案書や報告書など、どんな文書を作るときでも最初に書きたい内容を洗い出します。この時は箇条書きでも、一つの文章でも構いません。自分が書きたいことをノートに書き出してみましょう。これは多ければ多いほど良いです。
そうすることで、これから作る文書に必要な情報が目に見えるようになります。
洗い出した内容をグループ化する
次に洗い出した内容を同じグループごとにまとめていきます。例えば「文書の趣旨に関すること」であったり、「調査結果に関すること」など、関連する事柄をひとまとめにして、そこに名前を付けていきます。そうすることで、文書の中身がまとまりだしてきます。
全体の構成を考える
文書に書く内容をグループ化したら、それらをどういう順番で並べていくか考えます。図やデータが必要であれば、この段階でどこに入れるのかもマーキングしておきます。ここまでできると八割程度は文書ができたようなもので、残るはパソコンへの入力作業になります。
「結論」を最初に書く
文書は読み手が理解しやすいものでなければなりません。そのためには、どういう順序で文書を書き進めていくかが重要になります。
職種によって違うと思いますが、僕がまだ若くて仕事を教わっていた頃は、「問題点→対策の検討→対策の効果確認→結論」と言うように、時系列で文書を書くよう指導されていました。けれど、現在は「結論→結論に至った経緯」と言うように変わっています。
上司は基本的に忙しい
中間管理職であるあなたの上司は、職場のマネジャーとプレーヤー両方の仕事をしています。と言うことは、職場全体のパフォーマンスが良くなるよう、部下の面倒を見ながら自分の仕事も進めなければいけません。
そんな忙しい上司は、提出された文書も手早く処理しなければなりません。結論を最初に書くことで、その後の内容が頭に入りやすくなり、次のステップに進みやすくなります。
何をするにも「スピード感」が求められる
最近では時代や技術の流れが速くなり、仕事上の判断や作業もスピードが重要視されます。そんな時、提出されてくる文書が重要かそうでないかを判断するポイントが「タイトル」と「結論」になります。
タイトルを見ることで、何に関する文書であるのかが分かり、結論を読むことでどうすべきかが分かります。ところがタイトルと結論が離れていると、結論に到達するまでに何に関する文書だったか何度も見返すことになります。
スピードが重要であるはずなのに、これでは非効率です。まずは結論を先に提示して、そこに至る経緯は後からゆっくり読めるような構成にすると、分かりやすい文書になります。
社内と社外で書き方が変わる
新入社員教育で教わることの中に尊敬語や謙譲語があると思います。これらは相手の立場が自分より上の時に使うことになります。文書でも尊敬語や謙譲語を使いますが、同じように文書の提出先によって文体も変わってきます。
社内文書は「だ、である調」
基本的に社内文書は「だ、である調」で作成します。
社内と言うことは身内になります。社外から見た場合、対等な立場である身内に対しては通常「です、ます調」ではなく、「だ、である調」を使います。
社外文書は「です、ます調」
社外の関係者は全て利害関係者になります。利害関係者と言うことは、基本的に相手の立場が上と言うことになります。
立場が上の相手に対して、「だ、である調」はきつい印象を与えてしまいます。同じことを相手に頼むにも「だ、である調」だと指示に聞こえ、「です、ます調」だとお願いに聞こえます。
社外への文書は、相手が不快感を持たないよう「です、ます調」で書くことが基本となります。
表現は分かりやすく簡潔に
文書を作るときは、文字でいろんなことを表現しなくてはなりません。自分の意図していることを読み手が理解してくれるか、それが一番重要になってきます。
前置きはほどほどに
自分の仕事の成果物として文書を作る場合、言いたいことがたくさんあって文書も長くなる傾向が見られます。必要なデータや結論に至った経緯は抜け漏れなく書かなければなりませんが、それ以外については必要最小限に留めましょう。
あなたの思い入れや仕事への姿勢は文字の数ではなく、文書を作るまでの過程や集めたデータ、考察などで必ず相手に伝わるはずです。
「事実」と「推論、考察」は区別する
事実関係とそこから導き出される推論や考察などの考えは、必ず別の項目にしましょう。
事実は客観的なもので変わることがありません。けれど、推論や考察などの考えは主観的なものなので、前提条件や新しい事実が分かると変わる可能性があります。
事実と考えの区別がされていない文書では、正しい判断をすることができません。
分かりやすい表現をする
最終的にどんな人があなたの文書を読むのか考えることは大切です。同じ部署内だけの文書であれば専門用語のほうが分かりやすいでしょう。反対に社外に出すような文書である場合は、専門用語が並んでいると読み手に内容を理解してもらえません。読み手に合わせた表現を使うことが、分かりやすい文書を作ることになります。
また、僕の考えでは最近多いカタカナ語(エビデンス、プライオリティなど)は避けるほうが良いと思います。分かりやすい表現という観点から、一般化していないカタカナ語は相手に理解されないだけではなく、「これくらい知っていて当然でしょう」というような見下した印象を与える場合もあると思います。
文書チェックは最低三回
文書が形になると嬉しいものです。自分の努力が目に見える「モノ」になったのですから当然です。でも、そのままでは改善の余地があるはずです。提出前には忘れずチェックをしてみましょう。
完成直後に一回
完成直後には、誤字脱字がないかを中心に見直すことをお勧めします。
最近ではパソコンで文書を作成することが多いと思います。その弊害の一つに「誤変換」があります。パソコンの予測変換上位のものを無意識に押してしまい、全く別の漢字に変換されることがあります。
また、キーの打ち間違えで余計な文字が入っていることもあるので、注意しましょう。
修正後に一回
誤字脱字が修正できたら、少し時間をおいてもう一度見直してみましょう。この時は、プリントアウトすることをお勧めします。
プリントアウトしたものに赤ペンで修正していきます。最初のチェックで見逃した誤字脱字や文章の流れ、図やデータの位置や間違い、順序の変更など、読み手が分かりやすいかどうか意識してチェックしていきます。
提出前に最終確認
二回目までの修正ができたら、最終確認として体裁を確認します。
途中の修正作業で、段落が変わっていなかったり、記号を飛ばしていたりなど、見た目が悪くなっていることがあります。
分かりやすい文書は見やすく、それには全体の体裁を統一する必要があります。体裁が統一されていることで、文章の関係が分かりやすくなって、内容を理解しやすくなります。
まとめ
文書作りが苦手なあなたの参考になりましたか。
- 書きたい内容を整理する
- 結論を最初に書く
- 社内と社外で書き方を変える
- 表現を分かりやすく簡潔にする
- 最低三回チェックする
この五つのポイントを意識することで、文書作りの上達が早くなります。
ただし、自分で最高のできだと思っても必ず上司や同僚からは修正が入ります。それは上司や同僚があなたとは別人で視点が違うからです。自分以外の視点からの指摘は、文書の完成度を更に高めます。そしてあなたが次に文書を作るときの参考にもなります。
今回紹介した五つのポイントと他の人の視点を参考に、より良い文書をたくさん作ってください。
それでは、この辺で。
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