【職場管理者必見!】学校の成績と仕事の成果が結びつかない理由

あなたの職場の新入社員で、高学歴であったり学校の成績がよかった割に、仕事をさせるとイマイチと言う人物はいませんか。僕の以前の職場には、そんな新入社員が配属されて、半年ちょっと上司として面倒を見てきました。

今まで見てきた新入社員は、多少の差はあっても、学歴や学校の成績に近い形で仕事ができるようになっていきました。けれど、その彼は我々の想定を超えて、仕事の覚えが良くなくて成果に結びついていませんでした。

ごく稀に彼のような学歴や成績通りに伸びてこない新人がいるのも現実です。今回は、なぜ学歴や学校の成績と仕事の成果が結びつかない人がいるのか、その理由を考えてみようと思います。

学校の成績とは

今回のテーマを考えるためには、まず学校の成績がどういう風に決まるのか理解する必要があります。

成績を決める大きな指標として「テスト」があります。これは、あなたも僕も経験しているから分かると思います。ある一定期間に授業で習ったことを、どれだけ覚えているか確認するための手段として行われています。大体の教科はペーパーテストで、正解が多ければよく覚えている、あるいは理解していると判断されます。また、宿題などの提出物をどれだけ出しているかとか、授業態度がどうであるかも加味され、総合的に決められます。

つまり、学校の成績の多くは、授業で教わったことをどれだけ覚えているか、もっと極端に言うと、テスト直前までにどれだけテストに出そうなポイントを思い出したり暗記することができるかと言うことです。

僕も30年以上前の高校時代まで、一生懸命一夜漬けで点数を稼いでいました。

職場での成績は

一方、職場での成績は上司から与えられた仕事に対して、期限までにどれだけ大きな成果を出せるかということです。

新入社員として会社に入り、一定期間は学校と同じように教育を受けます。けれどその後は、学校とは違って実際に仕事をしながら必要と思われる基本的なことから応用テクニックまで、幅広く教わることになります。一般的にOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)と言われるものです。

僕が教わったり教えたりした経験では、最初の一ヶ月程度は座学を中心として、ある程度体系的に仕事の基本を教えていきます。それ以降は実務内容に合わせて教育することが多いです。仕事の結果を出すための方法はいくつもあるため、正解が一つとは限りません。

また、OJTは実際の仕事を通した教育なので、失敗を許されないことが多く難しいことを未経験者にいきなり任せるケースは少ないことから、若年者に失敗をもとに学ばせる機会が最近は減っています。

学校と仕事の決定的な違い

前項までの内容を見てもらえれば、次のようなことが分かると思います。

ます、学校の成績は何をどれだけ覚えたかが全てですが、会社での評価は覚えたことを使って、どれだけの成果を出せるかです。会社で仕事の成果を上げるのに必要な知識を覚えることは、学校の勉強と同じくインプットになりますが、成果を出すにはインプットをアウトプットに変えなければなりません。

言い換えれば学校はインプットが目的で、会社の仕事の目的は良いアウトプットとしての成果を出すことであり、インプットはそのための手段と言えるでしょう。

また、学校には教えるプロの教師が生徒に色々なことを教えてくれますが、多くの会社では教えるプロはいなくて、先輩社員が仕事をしながら必要と思われることを教えてくれます。なので、先輩社員がいつもつきっきりで教えてくれる訳ではなく、教わったことの中で自分が大切だと思ったこと忘れそうなことを、自分で整理する必要があります。それは人によって違うので、教えるほうが学校の先生のように「ここがテストに出るぞ」みたいな教え方はできません。だからこそ、重要なポイントを自分で取捨選択して整理しなければなりません。

そして、学校の勉強は卒業すると終わりですが、会社での勉強は会社を辞めるまで終わりません。ある程度仕事を続けることで、その仕事のことについては多くのことを覚えることができますが、社内異動で職種が変わったり日々進歩する技術に対応するため、ずっと勉強が必要です。

どうしたら学校と同じように仕事の成果を出せるのか

学校の成績が良かったのに、仕事がなかなか覚えられなかったり、うまく進められなかったりする人が、どうしたら学校の勉強のように仕事の成果を出すことができる様になるのでしょうか。

まず一番大事なことは、新入社員の意識を変えることです。

新入社員が分かるまで、学校と会社は違うこと、仕事の仕方を覚えるだけではなくて覚えたことをうまく使って成果をあげなければならないこと、会社で仕事を続けるということは必要な勉強がずっと続くということを言い続けるしかありません。

これは、とても根気のいることです。相手は切羽詰まっていないので、言われたことを自分の体験として理解するまで分かってくれません。こちらが根負けすると、いつまでたっても変わりません。

また、新入社員がペースを掴むまでは、学校と同じように宿題を出してみるのも一つの方法です。これは僕がやっていましたが、その日にやったことのポイントや新しく覚えたことをノートにまとめて翌日出社時に提出させ、帰りまでに職場のメンバー全員で内容を確認して、こちらがコメントを書きます。これも根気がいりますが、最終的に新人独自の仕事マニュアルになるような書き方をするよう、あらかじめ説明しておきます。これは副次的な効果として、職場全体が新人の育成状況を把握でき、まだ知らないことや苦手なことを中心に教えていくことができます。

まとめ

いかがでしたか。学校の成績と仕事の成果が結びつかない原因は、インプットした仕事の仕方や必要な知識を、うまくアウトプットとして成果に結びつけられないことだと僕は思います。

それを解消するため、学校の勉強と会社の仕事は違うことを言い続けて意識を変えることと、仕事マニュアルとして使えるようなノート作りをさせることが効果的だと思います。

冒頭お話しした、僕の職場に配属された新入社員に対して、学校と仕事の違いを言い聞かせることとノート作りをさせることを、実際にやってみました。効果については、目に見える変化が現れる前に僕が異動となってしまったので、この場で披露できないのは申し訳ありませんが、次に彼と会うときどうなっているか、非常に楽しみにしています。

学校の成績と仕事の成果が結びつかない新入社員にお悩みのあなたへ、何かの参考になれば嬉しいです。

それでは、この辺で。

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