【新入社員指導員必見!】教育効果を上げるために気をつけるべき四つのポイント

四月になって新入社員の指導員になったあなた、思うように教育は進んでいますか?まだ職場に来てから一週間しか経っていないとは言え、あなたの想定を上回る行動をしたり質問をしてきて、苦労しているのではないですか?そんな新入社員の指導で疲れ切っているあなたが、少しでも楽になるように、僕の経験を交えて教育のポイントをお教えします。

どうぞ最後までお付き合いください。

何も知らない子供と思う

もしかすると新入社員の指導員であるあなたは、まだ独身かも知れませんね。独身ならば当然子供を育てた経験はないと思います。僕は妻帯者ですが子供はいないので、独身のあなたと同じく子育て経験はありません。

そんな子育て経験のない僕でも、必ず頭に入れているのは「新入社員は子供と一緒」と言うことです。なぜ子供と一緒なのでしょう。

社内外の常識が通じない

彼らはあなたや僕と違って、会社や社会に出てきたばかりです。それまでの彼らの世界は家族と学校、アルバイト先など、極々限られた狭い世界でした。それが突然、会社やその先にあるお客様や取引先、自分とは全く違う年代の人などと接しなければならない、広い世界に出てきたのです。彼らが常識と思っていることが、会社や社会全体の常識とは限りません。

自分の常識が通じない世界に放り出された新入社員自身が一番戸惑っています。あなたは指導する側として、まだ常識が身についていないことを前提として、会社生活を送るうえでの常識を教えていかなければなりません。

専門用語も知らない

もちろん、会社に入ったばかりなので、あなたや僕が使う専門用語はさっぱりのはずです。たぶん新入社員の彼らのほうが、言葉の通じない外国に来たような不安があると思います。

まだ喋れる言葉の少ない幼稚園児や小学生に教えるように、丁寧に必要な言葉とその意味を、分かるまで教えていかなければ、うまく次のステップに進んはいけません。

新入社員を「昔の自分」と思って接する

新入社員は会社に入ったばかりの頃の僕やあなたです。でも、仕事を始めて時間が経つと、ついつい会社に入ったばかりだった頃を忘れてしまいます。そうして新入社員の姿を見ては「自分の時はもう少しマシだった」と思います。人はみんな自己評価が高くなりがちです。新入社員と自分を比べるときには気をつけましょう。

自分のことは良く見える

昔の自分を思い出してみてください。失敗もたくさんしていると思いますが、うまくいったことも多いでしょう。でも、失敗と成功のどちらをたくさん思い出すでしょう?たぶん成功したことの方が多いんじゃないですか?実際、ぼくは成功したことの方を多く思い出します。

でも、本当は成功も失敗も同じくらいしていて、時間が経つと失敗よりも成功の方を多く思い出しているんだと思います。自分のことは、どうしてもよく見えてしまうものなんです。

自分が分かっていなかったことは、新入社員も分からない

今から思えば、「なんであんな簡単なことが分からなかったんだろう?」と思うこと、ありませんか。そんな、昔のあなたが分からなかった「あんなこと」は、あなたが指導している新入社員も分かりません。

そんな、あなたの「あんなこと」を教えてあげてください。きっと、彼らは聞きづらかったことの答えが分かって喜ぶでしょう。

教えるときは色々な「例え」を使う

ものを教えるとき、何も知らない相手には「例え話」をしますよね。でも、その「例え」自体が新入社員の分かるものでしょうか。

相手が分かるような例えを使う

新入社員はあなたとは年が違いますよね。年が同じだったとしても、生活環境や学歴、出身地の違いで、あなたが知っていることを新入社員が知っているとは限りません。

今まで使っていた「例え話」も、通じるかどうかは相手次第です。もし、いつもの「例え話」が通じなければ、相手の分かる他のものに例えてみてください。分かるものを探すのに苦労するかもしれませんが、相手に分かってもらう早道になるでしょう。

一度で分からなければ、例えを変えてみる

新入社員の反応を見てみると、「例え話は分かるけどイマイチ理解できない」と言うこともあります。その時も、他のものに例えると相手の理解が進みます。手間はかかりますが、何度も同じことを教えるよりも、最初に時間をかけて納得してもらう方が最終的な手間はかかりません。

経験上、一度で全部分かってくれる新入社員はほとんどいませんが、「あの時話した○○」と言えば、たいていの場合思い出してくれます。

確認するときは「分かったか」と聞かない

これは、会社の管理者研修で言われた言葉です。そのまま新入社員教育に使える心得です。

新入社員は「分かったかどうかも分からない」

新入社員は仕事のことが全く分かりません。なので、何か一つ教えた後によくやる「ここまで分かったか?」とか「ここまでで分からないことは?」と言う問いかけは、はっきり言うと無意味です。

ほんとに全く分からない人に何かを教えても、はじめは「分かったか分からないかも分からない」というのが相手の本音です。もちろん、言葉の意味自体は分かるでしょうが、教わったものが仕事にどうつながるのか、どう使ったらいいのか、教えるあなたや僕の意図の半分も伝わっていないでしょう。

人は「分かったか」と聞かれれば、「分かった」と答える

そんな、「分かったか分からないかも分からない」人でも「分かったか?」と聞くと、不思議なことに「分かった」と答えることが多くあります。

あなたにも経験はありませんか。先輩に仕事を教えてもらったあとに「分かったか」と聞かれて、本当は聞きたいことがあるのに聞くのが恥ずかしくて「分かった」と答えてしまったこと。僕には山ほど経験があって、その度に後から痛い思いをしました。

新入社員も同じです。「こんな簡単なことを質問していいのか?」とか「説明を聞いていなかったと思われたくない」とか「質問するのが恥ずかしい」と言う感情が先に来ると、思わず「分かった」と答えてしまいます。

なので、新入社員に説明した後の確認は、「分かったか」ではなくて、次のような問いかけの方が効果があります。

説明したことを、新入社員にも説明してもらう

新入社員に仕事を教えるときに一番効果があるのは、「教えたことを新入社員自身に、自分の言葉で説明してもらう」ことです。

一般的に教わったことを頭で理解するだけでは足りなくて、人に教えることができるようになって本当の意味で理解したことになります。ただ、新入社員が他の誰かに仕事を教える機会はほとんどないでしょうから、あなたが仕事をひとつ教えたらその内容を相手に説明してもらいましょう。そのときのポイントは一つ「自分の言葉で説明させること」です。

教わった言葉をそのまま繰り返すのでは、本を読んでいるのと同じです。自分の知っている言葉や使いやすい表現に置き換えるには、内容が理解できていないとうまくできません。なので、仕事を教える前に「教えた後に説明してもらうからな」と一言言っておくと、新入社員の集中力向上を見込むことができます。

相手がどんな風に説明するか聞いていて、間違っている部分があれば訂正してあげてください。

まとめ

ここまで新入社員教育の効果を上げるために気をつけるポイントを四つ紹介しました。

  • 何も知らない子供と思う
  • 「昔の自分」と思って接する
  • 教えるときは色々な「例え」を使う
  • 確認するときは「分かったか」と聞かない

これらはこの数年、僕が新入社員や若手社員と接するときに意識していることです。相手によって全部を使うときもあれば、ひとつふたつしか使わない時もあります。けれど、これらを意識していなかった頃に比べると、新入社員の反応が良くなったと思います。

この中であなたがまだ試していないことがあれば、使ってみてください。今までよりも、新入社員に教えやすくなるでしょう。

それでは、この辺で。

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